3日(土)さいたま市民会館うらわに於いて『川の再生交流会』が開催された。埼玉県内、及び埼玉県に隣接する都県で河川の保全活動を行なっている団体が集結し、客席は埋め尽くされた。
10時に第1部全体会が始まった。冒頭、宍戸信敏埼玉県環境部長(前知事特別秘書)が挨拶に立ち、埼玉県を流れる河川は、確実に水質が向上していることが報告され、保全活動に従事する各団体を労い、感謝の言葉を述べた。
宍戸信敏環境部長挨拶に続き、埼玉大学大学院環境科学・社会基盤専攻 浅枝隆教授による講演となった。
「川の環境の変遷〜時代とともに川とそこの生き物はどう変化したか」と題された講演に、出席者も熱心に耳を傾いていた。川の環境や生態系を維持するために、レキの存在は大変重要。しかし、高度経済成長期に、砂防ダムの設置などにより、川の上流部から中流、下流域にレキが流れなくなってしまった。治水とバランスを取ることは難しいが、でも重要であることを認識した。
浅枝教授による講演に続き、ときがわ町で活動中の、もりんど会長山本悦男氏による「もりんどの川遊びイベント」、飯能市エコツーリズム推進協議会会長で駿河台大学教授を務める平井純子氏による「サトムスメが挑戦!〜川資源を活用したエコツアー」が報告された。山本氏からは、ときがわ町の利点を生かし、子どもたちに興味を持ってもらえる川遊びについて、熱を帯びた報告がなされ、平井氏は、入間川流域の川資源を生かしたエコツアーについて、ユーモアを交えた報告がなされた。
1部の最後に、「川の国埼玉宣言」が出席者全員で力強く唱和された。
第2部は、「ポスターセッション」が開催された。ロビーに展示された43団体の活動をアピールするポスターや水槽展示などに、出席者も熱心に見入っていた。
午後1時30分からは、分科会が開催された。6つのテーマに分かれ、各分科会活発な意見交換がなされた。
埼玉県内を流れる河川は、宝である。甲武信岳に源を発する荒川、群馬県の谷川岳を源を発する利根川は、それぞれ埼玉県民の「命の水」を生み出している。荒川水系、利根川水系の中小河川は、高度経済成長期に於いて、著しく汚れたが、現在は水質も向上し、様々な魚や水性生物が戻ってきた。これは、埼玉県内各団体の努力無しでは、成し得ることができず、今後も埼玉県内を流れる河川の保全に、各団体の存在は大きい。