1982年、初めてラジオで"New Life”を聞いて、「すごいのが出てきたな」というのが第一印象だった。詞も音も単純そうで実は緻密に創り上げられていて、単発的なヒットでは終わらず、長く活躍できるのではないかという予感がしたのだった。その予感は当たり、デペッシュ・モードといえば、欧米ではスタジアムを満杯にできるグループとして、未だに人気は衰えていないのである。
結成から38年を迎えるデペッシュ・モードだが、過去の作品は色あせることなく、未だに輝きを放っている。エレクトリカルということ以前に、キーマンである、マーティン・ゴアの卓越した能力によるものではないかと思うのだ。 もちろん、デイヴ・ガーンの声も、アンディ・フレッチャーのサポートも、デペッシュ・モードには欠かせないものではあるが、やはりマーティン抜きでは、デペッシュ・モードは語れないのである。近年リリースされる作品も、「デペッシュ・モードらしさ」は聊かも失われていないが、独特の進化を遂げていることは事実なのである。その進化とは、年齢によるものなのか、キャリアによるものなのか、それは分らない。でも、「いい齢のとり方しているよな」というのが、デペッシュ・モードファン共通の認識なのではないか?
1990年を最後に来日していないので、そろそろ日本へ来てほしいと思うのは私だけではないはずだ。